「主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたのです。」 サムエル記上 10章1節
「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから」
ヨハネによる福音書 12章7節
主なる神さまからの恵み。それは、罪のために死すべき運命にあった私たち人間に、神さまからの愛として。また、神さまご自身がアブラハムを通して与えた契約に誠実であって、決して神さまの方から破ることのない契約として与えられたものです。それは、単に私たちがこの世で幸せであるように、ということだけでなく、死から生へ。主イエス・キリストの十字架と復活の出来事を通して与えられた、まことの命につながる恵みでした。
その恵みを受けて、私たちは、この世において、また、後の世においていつまでも主が共にいてくださる恵みの中で生きることができる、という約束です。イエスさまは、これからご自分が十字架で死を迎えることを知られた上で、マリアから尊敬を表すために注がれた香油を、自分が葬られるために注がれた油だと話されました。
この世界が神さまによって作られたにもかかわらず、自らの勝手な思いで、神さまのみ手の外に出てしまった人間です。しかし、神さまはどこまでもひたむきに、私たちを愛し、神さまのみ手の中に留めるために、イエスさまを十字架に架けられ復活させられました。その出来事は、神さまのみ手の業であり、決定的にただ一度限り。わたしたちの生死を支配している神さまのみ怒りから、み恵みへと変えられる出来事でした。